サイン馬券　2020 ダービー: サトノインプレッサにつきる

ヘッドライン：「伝説を刻め、歴史を動かす英雄が誕生する。」

コントレイルと『ひこうき雲』

コロナ渦の中でのG1戦線、圧倒的に１番人気が強いです。１着コントレイル。JRAデータ分析が「2歳時と3歳時の両方で重賞に優勝した馬は優勝していない」と変なデータを強調していたのが攪乱要因でしたが、他すべてのサインは太鼓判でした。ヘッドラインの「英雄」もしっかり福「永祐」（えいゆう）一騎手の名前に入っていましたし、やはりヘッドラインにあった「誕生する。」の「する」もレクセラン「ス」とコントレイ「ル」で作っていました。池添調教師と池江調教師にサンドイッチされて「イケイケ」でした。信じて「イケイケ」と単勝を買った人は40%のリターンがあったわけです。

コントレイルの意味は飛行機雲です。誰もがユーミンの『ひこうき雲』を思い浮かべるでしょう。この歌は自殺した友達へのレクイエムとして書かれたそうです。JRAは普通、ネガティブなネタや暗い話題はサインに使いません。しかし追悼だけはサインにします。そこで、追悼関係のサインがないかと探しました。黒枠が来るのではとも思いましたが、2枠は実力不足のワーケアですし、あまり強いサインには見えませんでした。

ユーミンの『ひこうき雲』と言えばもう一つ思い浮かびます。この歌が主題歌に使われていたジブリ映画の『風立ちぬ』です。映画『風立ちぬ』と言えば、主人公の堀越次郎の奥さんは里見菜穂子。そして飛行機とくれば元富士重工＝スバル。やはりサトノインプレッサに行き着きました。

サトノインプレッサ！

予備エントリーで「サトノインプレッサの扱いが厄介」と書きましたが、本当にサトノインプレッサ絡みのサインばかり目立ったダービーでした。そして、やはり、コントレイルの僚馬であるサトノインプレッサにも勝負がかかっていました。2015年、無敵ドゥラメンテ（堀厩舎）の3着に入ったサトノクラウン（堀厩舎）を思い出します。

サトノインプレッサはNHKマイルカップで武豊騎手が騎乗して、どん尻から大外を回って追い込もうとしましたが不発でした。しかし、東京コースでのG1試乗としてはこれで充分だったようです。坂井騎手は武騎手の騎乗から多くを学んだでしょうし、馬も東京コースのG1の肌感を得ました。そして、ダービーで、坂井騎手は大外ではなく見事なインつきであわや3着まで追い上げた。G1経験は人馬共に貴重です。

JRAの予想能力

「サインがどうのと言っても、馬券にならなかったじゃないか」と仰る向きもあるでしょう。競馬は結果がすべてという観点からはそうだと思います。しかし、もう少し掘り下げると、サイン馬券の面白さが見えてきます。競馬は動物の競争です。何があるかわかりません。JRAは1着から3着までを完全に予想できるわけはないのです。サイン馬券の先人達、例えば高本公夫氏や清水成駿氏は、中央競馬会を全てのシナリオを書く全能の神であるかのように描きました。私は、そんなことないだろうと思います。

JRAの最高のアドバンテージは、インサイダー情報へのアクセスです。どの馬の調子が良いか、どこの厩舎の何という馬が勝負気配か、どこの厩舎に慶弔事があるか等々、何でも把握しています。その上、（ものすごいお金持ちなので）しっかりしたデータ解析をすることが出来ます。その辺のAI馬券師では足元にも及ばないでしょう。さらに各厩舎はJRAの意向を忖度してくれます。JRAは情報力と金力と権力を使って非常に精度の高い予想をすることが出来ます。しかし、すべてのものがそうであるように、完全なものはありません。だからJRAがファンサービスとして提供するサインは、せいぜいのところ◎○▲△△△程度なのです。私たちとしては、枠順を見たときにJRAの予想がしっかり読み取れれば、当り馬券のフォーメーションを作ることができるという、それだけのことです。サトノインプレッサは△だったのでしょう。他にもガロアクリーク等の△馬がいたということです。

保険馬＝ヴェルトライゼンデと自明のサリオス

JRAの予想では3着のヴェルトライゼンデは▲だったように思います。以下は、レース前の私のツィートです。

#ダービー　 #ヘッドライン「伝説を刻め、歴史を動かす英雄が誕生する。」

英雄といえば、ベートーベンは交響曲3番、ショパンはポロネーズ第6番。3枠6番は #ヴェルトライゼンデ。圧倒的１番人気の同枠は保険馬なので３着内に来る可能性は大きいですね。
— 枠順の謎を解く (@JraPuzzle) 2020年5月29日