サイン馬券 2020年のG1レース: 1年の計は金杯にあったという話
並び目連発の2020年秋のG1
2020年のG1レースを振り返ったとき、3着内に並びの出目がやたらと多いのが目につく。表は2020年の障害レースを除いたG1レースの出目だが、23レース中11レースで3着内に並び目が入っている。同じ枠が3着内に入っているレースも8つある。驚いたことに並び目が出た8レースは秋のレースに集中していて、秋の並び目率は73%である。一方同枠は春秋4レースずつ出ている。
新型コロナパンデミックで「ソーシャルディスタンシング」が叫ばれている中、なんで出目だけ隣接させたのか?JRAの真意が図りかねた。いろいろ考えるとどうも、パンデミック前に既定となっていたJRAの出目方針だったということが分かった。
答えは2020年1月5日の東西金杯にあった。
■ 日刊スポーツ賞中山金杯
1着 4枠7番 トリオンフ
2着 4枠8番 ウィンイクシード
3着 1枠1番 テリトーリアル
1着 2枠3番 サウンドキアラ
2着 3枠6番 ダイアトニック
3着 4枠7番 ボンセルヴィーソ
一目瞭然、両レースとも3着内に並び目馬番が出ている。枠については中山金杯はゾロ目決着、京都金杯はきれいな並び枠決着になっている。
一年の計は元旦にありというが、競馬の一年の計は金杯にあるようだ。高本公夫氏は『この暗号が万馬券』(大陸書房;1989.11.24初版)という本の中で「その年の元旦レース、東西の「金杯」に大注目せよ」として次のように述べている。
元旦レース、東西の「金杯」の的中馬券結果を比較して、2,3秒、いや、2,3分かかってもいい、ながめ下ろすとき、妙な共通性に感性が走れば、シメタものである。それでその年、一年のここ一番レース、ビッグレース、とくにG1レースの的中馬券は大丈夫と断定していいだろう。(p23-24)
さらに高本氏は「金杯」と「ジャパンカップ」は兄弟レースであるという(p.32)。そこで、2020年のジャパンカップを振り返ってみた。
■ 2020年 ジャパンカップ
1着 2枠2番 アーモンドアイ
2着 4枠6番 コントレイル
3着 3枠5番 デアリングタクト
確かに!京都金杯が10か月も前にジャパンカップの当り馬券を教えてくれていたのである。
「今年は並び目が出るぞー。4枠のゾロ目に注意しろー」と中山金杯が教え、京都金杯は「今年のジャパンカップは2枠-3枠-4枠で決まるよー」と教えてくれていたのだ。なんと親切なことか!?
今年の金杯が楽しみである。